000. 東家資料 (とうけしりょう)
 東家資料の寄贈を受けるに至った経緯
  当時横浜市神奈川区在住の、東家27代の当主東胤(とうのたねたけ)氏が、家伝の資料の安全な保管のため、小田原市立図書館の河野館長と親交があったことから、同図書館へ資料の保管を依頼していた。
  昭和53年(1978)大和村発行『大和村史史料編』に文書の一部を収録したのが縁となって、昭和62年〈1987〉東胤氏と大和町が「東家所蔵歴史資料等貸借契約書」を交わし、東家資料を大和町歴史民俗資料館の収蔵庫に保管・活用してきた。
  東胤氏は、先祖が永年にわたり当地を領知していたことと、自宅で収蔵・管理するよりは、当地大和町で収蔵・管理した方が良いと判断して、平成6年12月5日大和町と「東氏歴史資料寄贈契約書」を交わし、東家資料は大和町が所有することとなった。
  東家資料の寄贈を受け「古今伝授の里ー大和町」は名実ともに充実した。大和町教育委員会はこれらの資料を平成9年1月29日に重要文化財に指定した。

 資料概要
・柿本人麿像(かきのもとひとまろぞう)
(藤原信実筆 掛軸箱入軸〉
・歌道伝授目録(遠藤胤忠自筆折帖1冊)
・宗祇像(そうぎぞう)(掛軸箱入一軸) ・東家古今伝授書之写(胤忠編、写本1冊)
・東家十三代集(巻子本1巻、箱入〉 ・東家古今伝授並稽古方(遠藤胤統編、自筆)
・東家代々首(東常和写本1冊)

・薗呉竹(横本、江戸中期写本1冊)

・東家拾参代和歌集愚案抄(ぐあんしょう)(東常忠写本1冊)

・一条禅閣古今抄(一条兼良著、元文頃写)

・東野州(とうのやしゅう)自詠短冊〈軸装軸、箱入)

・和歌深秘抄(わかしんぴしょう)(尭憲著、江戸中期写本1冊)

・自素伝宗祇(そでんよりそうぎ)へ免許之歌(軸装1軸、箱入〉

・和歌式法(横本、江戸中期写本1冊)

・常縁集(つねよりしゅう)(写本二重箱白倫子袋入1冊、中に「常縁集」の三字書後水尾院宸翰が収められている)

・和歌六部抄(半紙本、細川幽斎編、写本1冊)

・古伝集(大本1冊、江戸中期写本)

・常縁集跋書抜(江戸中期写本1冊)

・かなつかひ(横本、江戸中期写本1冊)

・東家詠草脱漏聞書(江戸中期写本1冊)

・和歌制の詞(木版本1冊、延宝9刊)

・備前守平常友自詠自筆(巻子本1巻、箱入)

・禁忌遠慮之弁(きんきえんりょのべん)(光淳著、胤忠写本1冊)

・蒙吟詠藻(もうぎんえいそう)(江戸中期写本1冊)

・西園寺殿鷹百首(元文頃松山友之写本1冊)

・落葉草(上)(遠藤胤将著、自筆)

・東氏之系図(巻物黒塗箱並袋入1巻〉

・落葉草(下)(同上)

・東家々譜(大本6冊、写本)

・素秋君(そしゅうくん)御詠(江戸中期写本1冊) ・遠藤家記録並鷲見家記録(写本9冊)

・新古今和歌集之抜(江戸中期写本1冊)

・織田右府知行允可書(ちぎょういんかしょ)(軸装1軸、箱入)

・常縁消息附三代集目附和歌(胤忠写本1冊)

・織田信孝軍令状(掛軸1軸、箱入)

・東家三部秘録(江戸中期写本1>冊)

・素山法師消息(天正18、伝遠藤慶隆筆)

・東野洲聞書(江戸中期写本1冊〉

・領地朱印状(家綱朱印遠藤備前守宛、掛軸1軸)

・かりねのすさみ(江戸初期写本1冊)

・領知目録(元禄、正徳2、享保2、延享3)

・木蛇寺殿墳記(もくじゃじどのふんき)(江戸中期写本1冊)

・領地朱印状(りょうちしゅいんじょう)(家宣朱印・正徳2年、吉宗朱印、享保2年、計2枚)

・伊香保紀行(遠藤常友著、延宝2写本)

・白雲水記、八幡城二名区事蹟(写本1冊)

・宣案(平胤城、宣叙従五位下など原本)

・日光道の記(遠藤胤将自筆〉

・大塩平八郎騒動古文書(断簡)

・愛宕山五人塚石碑之銘(江戸中期写本1冊)

・濃北一覧(写本4冊30巻)

・古今集(写小本、2重箱入1冊)

  以下74件、108点。現在これらの資料は、フィールドミュージアム・東氏記念館(写真)に収蔵・展示している。

・東家歌道教訓廿五ヶ条(胤忠筆巻物箱入1巻)

・古今伝授(巻物金襴袋並黒塗箱入3巻)

 なお、1.「古今伝授書」 2.「東野州(常縁)筆和歌短冊」3.「柿本人麿像」、 4.「宗祇像」、 5.「常縁集」参照。