白雲山中世古墓群

＜　　　１5.　白雲山中世古墓群　　　＞

　（はくうんざんちゅうせいこぼぐん）　

　位置及び現状
　国道156号線の「おくみの農協大和支店」前交差点から北東へ入ること約200ｍのところに、標高約580ｍの白雲山がそびえている。
　この山の参道を登りつめた平地(標高520m～530m）に観音堂（かんのんどう）がある。その上段に広さ約778㎡の平地があり、その南西端の約240㎡の所に五輪塔（ごりんとう）12基と残欠（水輪のみ）が12箇ある。そこから林道を約200ｍ北に行った右側上段の平坦面に五輪塔が4基（うち2基は不完全）ある。
　後者は通称「和尚の墓」といわれており、昭和48年9月に発掘調査されたが、既に盗掘（とうくつ）されていて、皇宗通宝1枚、鉄製風鐸の一部と耳付きの肩の部分を含む古瀬戸壷の破片十数個が発見されたにすぎなかった。
　また、前者は、平成5年と6年に発掘調査が行われ、「福」の字の銅印1箇、それぞれ人骨が入った三耳壷（さんじこ）・四耳壷（しじこ）・瓶子（へいし）・土瓶（どびん）が各1箇出土した（くわしくは25「白雲山出土陶器」、69「白雲山出土品」参照）。
　墓の歴史
　この古墓群に関する文献はないが、鎌倉～室町時代のものと考えられており、本町の歴史を解明するうえに重要な資料である。