野口(のぐち)西田(にしだ)出土大甕(しゅつどおおがめ)
八世紀(はちせいき)後半(こうはん)郡上市(ぐじょうし)重要文化財(じゅうようぶんかざい)教育(きょういく)()員会蔵(いんかいぞう)
野口西田出土大甕
 昭和55年6月、畑の地表から約1.8mの場所で、須恵器(すえき)の大甕がほぼ1体分発見された。採集者森藤雅毅氏。口の直径35.0cm、肩の直径55.0cm、高さは63.0cmである。口頸の高さは11.5cmで、外側へ反らせ気味に折り返した口縁には、1条の線を入れている。肩は比較的なだらかで、甕の内側には整形のときについた青海波文(せいがいはもん)、外側には平行叩(へいこうたた)目文(めもん)が残っている。8世紀後半のもので、各務原市稲田山古窯(いなだやまこよう)産と思われる(大江県考古学会長談)。  なおこの付近から、須恵器片や、平安期の灰釉陶器片(かいゆうとうきへん)など約30点が出土した。灰釉陶器片は平茶碗(ひらぢゃわん)、皿類で、虎渓山T形式(11世紀後半)のものがほとんどである。

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