14. 　東林寺跡古墓群
（とうりんじあとこぼぐん）

　東林寺は東氏の一族により建てられ、東常縁の妹素順尼（そじゅんに）・宗雲尼（そううんに）も住職をつとめた寺である。宝暦9年（1759）土地の所有者が夢の告げにより掘り出した懸仏（かけぼとけ）・和鏡（わきょう）があり、「牧村元金掘出仏由来書（ゆらいしょ）」と共に昭和58年歴史資料として県の重要文化財に指定された。（67「東林寺跡出土懸仏」参照）この東林寺跡には、現在下記の古墓が集められている。向って右から、・五輪塔　全高52.0cm＝安山岩製・五輪塔　全高62.5㎝＝安山岩製・宝篋印塔（ほうきょういんとう）塔身＝種字（しゅじ）あり東方薬師・西方阿禰陀（あみだ）・南方釈迦（しゃか）・北方弥勒（みろく）・五輪塔　全高79.5㎝＝地輪安山岩・他は花崗岩製・五輪塔　全高85.0㎝＝安山岩製・五輪塔　全高60.5㎝＝花崗岩製・宝篋印塔　全高76.0㎝＝硬砂岩製（こうさがんせい）　梵字虚空蔵菩薩（ぼんじこくぞうぼさつ）・五輪塔　全高50.0㎝＝安山岩製（地輪は別のもの）・宝筐印塔　全高52.0㎝＝硬砂岩製（相輪（そうりん）なし）・五輪塔　全高46.5㎝＝安山岩製（空・風輪（くう・ふうりん）なし）前記のように、この古墓群は東氏と深いかかわりを持ち、付近の「東氏館跡（とうしやかたあと）」や「木蛇寺（もくじゃじ）」などとの関連を研究する上にも、非常に重要なものである。 →参照「東林寺跡出土懸仏・和鏡」