103万場藤国出土縄文時代石器類

 万場藤国地内の耕作地で、故桑田敏雄氏が採集していたものである。出土地の広さは約1ヘクタールである。
 出土物は石器類で大型石刀1点、石冠1点、磨製石斧6点、石鏃類6点である。大型石刀は、長さ39.5p、最大幅8p、刀の背の厚さ約5p、刃部の厚さ約2p、握りの部分7pである。この石刀は縄文中期のもので、大形の動物捕獲に用いる道具である。重さは2.6sある。
 石冠は高さ6.7p、底面の長径6.7p、短径5.2pで縄文時代後期のものである。
 磨製石斧の1点は蛤刃で、その最大幅は5.3pある。今1点の長さは10.6pである。小型のものは長さ7.1p、6.1pなどであるが、いずれもよく磨かれ、精密に製作されている。
 石鏃類はチャート製で無茎2点、有茎4点(縄文時代後期)ある。大型石刀は非常に珍しい出土品であり、縄文後・晩期の蛤刃石斧も貴重な出土品である。



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