13木戸口清水

 別名なぎなた清水、また千代清水ともいわれ、明建神社の西、県道より北ヘ10m余りのところにあり、長さ3m、口元幅70p、深さ60pの長刀形石積の傍から清水が湧き出ている。清水の上には藤棚があり、傍らには桜が植えてある。
 この清水は、嘉吉元年(1441)この地方が大干ばつのとき、妙見宮の神主の娘千代が、ここに水神を祭り、祈りの歌を1首詠んで湧水したという伝説があり、次のような和歌が碑に刻まれている。

   み仏に手向の閼伽(あか)も水無月(みなづき)の
   神に祈りてくるす野の里

 そのとき祭った水神は、現在本蛇寺跡の傍にある水神神社の本尊であるといわれている。
 歌碑は、天保2年(1831)8月、妙見神社の神主粟飯原豊後が西俣村の鷲見昌林と牧村の遠藤伝四郎の寄進によって建立したものである。



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