73名皿部久仙出土石皿

  長良川右岸の名皿部久仙地区は、二段の段丘があり下段段丘上には水田がある。上段段丘には道路が南北に走り、道に山が迫っている場所がある。この山の斜面を少し上った地点に、四面の石皿を立て、このあたりには昔「久仙寺」という寺があり、その墓であると伝えていた。地域の了解を得て縄文中期石皿として教委に保管したものである。
 平面が卵形一面、楕円形二面、円形一面の四面である。卵形のものは長軸44p、最大幅26p、中間幅22p、厚さ12pあり、幅のせまい方が流し口になっている。
 楕円形のものは、中央のくぼみが長方形に近く、一方がそのまま流し口になっているものと、中央のくぼみも楕円のものがある。円形のものは、径27pである。
 以上のように、大形の石皿が四面もこの付近で出土しているという事は、縄文中期の集落が存在したことを物語る。
 (東海北陸自動車道工事でこの出土地は消滅)



BACK