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  毎年 8月7日 夕方から開演 (昼は、県無形民俗文化財「七日祭」)

 ■ 謡曲「久留春桜」
 「くるす桜」の「くるす」は栗栖(現栗巣)という地名であり、妙見宮(現明建神社)の桜を意味します。つまり東氏の時代は馬場であったと伝えられる明建神社大門の桜並木を指し、そこが物語の現場になっています。
 くるす桜の研究は、昭和51年4月、当時の八幡町文化財審議会長・故千葉稔氏が、『郡上史談』第24号に「謡曲久留春桜」を発表しておられるのが初見です。大和町史編集委員長であった故野田直治氏は、昭和47、48年頃に郷土史家・故寺田敬蔵氏の紹介で、八幡町村瀬家所蔵の「久留春桜」を借覧しておられ、郡上の郷土史家の間では、この頃初めて目に触れ出したのだろうと思われます。
 作者は不詳。村瀬本の奥書に(宝暦9卯年(1759)7月朔豊嶋助之丞以筆跡写之 法眼清雅70歳」とあることから、法眼清雅という長滝寺(郡上市白鳥町)の僧が作り、豊嶋助之丞が浄書したものと考えられていました。しかし、島津忠夫氏(大阪大学名誉教授)は、「清雅が豊嶋筆本を写したと読むべきで、恐らくは東氏文化の興隆に努めた遠藤常友(1627〜1676)の周辺で作られたものであろう」と述べられています。
 なお、謡曲「くるす桜」は、郡上に伝わった村瀬本のほかにも、京都下村家旧蔵本(天理図書館蔵)に「栗栖桜」、伊達家旧蔵本(宮城県立図書館蔵)に「常縁」として所収されており、いずれも『未刊謡曲集』(古典文庫)に翻刻されています。



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